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投資を行う際の借入金に対する安全性やリスクを検討する際に用いられる基準

DSCR 元利金返済カバー率

「Debt Service Coverage Ratio」

収益不動産を購入する際には、購入代金を一括で支払いをする場合もありますが、ローンを利用するケースが一般的です。ローンを利用するということは、どんなに好条件の投資用不動産を購入した場合であっても、将来的に返済が滞るリスクが存在することになります。

このような、投資を行う際の借入金に対する安全性やリスクを検討する際に用いられる基準が「DSCR」です。

借入金や社債などの返済にどの程度余裕があるかを評価する指標です。

不動産から得られる収益によって、借入金の返済をどの程度カバーできるかを示した数値なので、不動産や証券自体の優劣性、借入金を返済する際の安全性の見極め、金融機関の融資判断に用いられています。

金融機関の目安水準はDSCR1.2以上!

DSCRは、年間の「NOI(営業純利益)÷ 元金と利息の返済額」という式によって算出されます。

不動産から得られる収益によって借入金をどの程度返済できるかを示した数値で、最低でも1.2以上、1.7程度が望ましいとされています。

【NOI(営業純利益利益)】

DSCRについて正確に理解するためには、算出において重要となる「NOI」について正しく理解する必要があります。

NOIは、不動産賃貸を行うことで生み出される純粋な利益のことを指します。「Net Operating Income」(ネット・オペレーティング・インカム)を省略した言葉で、「正味稼働利益」や「純営業収益」などと表記されることもあります。

NOIは、不動産保有期間中に得られる家賃などの総収入から、税金や管理費用、保険料、空室部分の家賃などの支出経費を差し引いて算出された数値です。

NOIの計算式
NOI = 総収入 – [税金(固都税) + 管理費用 + 保険料 + 空室部分の家賃 + 光熱費等の支出]

純利益のことを示すNOIですが、不動産のNOIを算定する場合に経費として差し引かれる対象は、税務上で控除される経費とは内訳が異なります。

具体的には、不動産建物の減価償却費用や修繕費、借入金の支払利息などの項目は、NOIの計算においては経費としてカウントされません。

また、借入金の元本返済分もNOIの計算には含まれません。

不動産への投資判断においては、ロ-ン条件(融資金額)とのバランスを図り高めのDSCRを確保することが理想的ですが、その前提として現実的なNOIを見極めることが非常に重要です。

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