割引現在価値とは、将来得られる価値を現在受け取るとしたら、どの程度の価値になるかを計算したものです。
100,000円を年利10%の定期預金に預けた場合、1年後には110,000円になります。
この場合、現在の100,000円と1年後の110,000円は同じ価値、つまり現在の100,000円の方が1年後の100,000円より10,000円価値が大きいという事になります。
このようにお金の価値は時間によって変化するという考え方があります。
この変化する価値を、割引率を用いて計算したものが割引現在価値になります。
不動産の評価に使われる収益還元法
収入 ÷ 割引率 = 価値
物件にどれだけの価値があるのかは、市場全体における物件の価値とは異なります。
市場価値、最も売れそうな価格を見積もる方法です。
この市場価値は、すべての不動産投資家の理論的挙動によって構成されていて、それらの挙動の平均です。個人の財務状況、税金の状況などによって、特定の投資家は、特定の物件が、市場の他の物件よりも好ましい、あるいは好ましくないと考えます。
市場価値と投資価値は割引率を使って計算できます。
どちらの場合も、将来の収益を特定の率で割り引いて、現在価値を計算します。市場価値は、適切な保有期間の年間営業純利益と将来の売却益を予想して見積もります。
投資価値は、市場全体ではなく、特定の投資家と投資の要求利回りを使って計算
①キャッシュフローの予想
営業純利益を予想して、年間負債支払額を差し引き、物件の所有者が標準的な保有期間中に受け取るであろうキャッシュフローを計算します。
②売却手取り金の見積もり
物件の保有期間後に売れるであろう金額を見積もる。見積り後、売却コストと残ったローン残高を引いて、売却手取り金額を算出します。
③投資家の希望利回り
投資リスクに対して希望利回りの確認
④割り引いたキャッシュフローの合計
全ての割り引いた税引き前のキャッシュフローと売却手取りを合計して、投資価値の持分の現在価値を計算。
⑤現在の残債務を合計
キャッシュフローを現在まで割り引いてその合計を計算後、ローン残高を持分の現在価値に合計
持分の現在価値 + ローン残高 = 投資価値
・5年後に売ったら、売却益はいくらなのか。
・現在売りに出ている物件、購入するとしたら、物件の投資価値はいくらなのか。
・この投資はすすめるべきなのか、やめるべきなのか。
物件の分析、市場の分析、現在保有している物件の分析など、物件の収入面、メンテナンスなど細かく調べて投資判断を行います。
分析を行うことで、改善点なども明確になります。