何を基準に「自分に合った物件」を選べばいいのか?
楽街・健美家など不動産ポータルサイトを見ていると、不動産投資用の物件がたくさん掲載されています。購入してもいい物件って、どんな物件?
儲かるのか?失敗しないのか?
本当に購入して大丈夫なのか・・・
どこで購入を決断するのか?
まずは数値化するところから始める!
投資シミュレーションを行うことで、物件価格や利回りではわからないメリット・デメリットが見えてきます。
融資の条件、負債の年間支払額をキャッシュフロー表に入れ、税引き前のキャッシュフローを計算します。減価償却や支払金利を算出、課税所得を計算。
ご自身の所得税率にあった税率も入れます。その上で、税引き後キャッシュフローまでを計算します。
これで、キャッシュフロー表は完成。
数値化することで、物件が持つ稼ぐ力、営業純利益(NOI)を基に、内部収益率(IRR)を算出し、可視化することができます。
内部収益率(IRR)と金利を比較して、レバレッジがプラスかを確認するなど、自分の目標とする効率があるかどうか等をチェックしていきます。
不動産の状況調査を行う前に、シミュレーションしてみて、数字が合いそうなら現地確認など詳しく調査していく流れです。
良い物件は売れてしまうのも早いので、良い物件を良いと判断できるように、ざっくりと素早く投資判断出来ることが重要です。
地域によって違いますが、空室率と運営費をどの程度で考えるのかなども大切
私の活動エリア大阪であれば、運営費は木造アパート15%~18%、1棟もの鉄骨造、RC造、SRC造で17%~20%程度で見積もっておけば、大きくは外さないと思います。
区分所有マンションは、間取りのタイプ、各マンションによって管理費、修繕積立金の額が大きく違うので、それに合わせて計算を行います。大体数字が合いそうであれば、実際に現地に行くなど調査を行っていきます。
同じ物件のシミュレーションでも現役の資産形成期で購入を検討しているのか、相続対策で購入を検討しているのか、利回り重視か安定重視か、購入目的によっても、見方や判断の仕方は変わります。
自分にとって良くない物件であっても、他人にとっては良い物件かもしれません。
保有期間に運営の改善を行う。リノベーションの実施や用途変更、出口を収益から実需にするなど、保有後の戦略次第で投資判断は、全然変わってきます。
戦略が多ければ多いほど、選択肢は広がります。
不動産は所有者が当事者としてかかわるため、投資的な要素だけでなく、経営的な要素が、不動産投資にはあります。
例えば、親から代々引き継いだ不動産などがあれば、実物として守りたいと思い、その土地の上にアパートや、マンションを建てるのかもしれません。しかし資産を守るというのは時価ベースの純資産をいかにふやすか、純資産を減らさないということが前提にないと、守りたいはずだった資産も失ってしまうことがあります。
日常生活での支出に加え、資産を保有することでかかるコストや、相続税などの支出を超える収入を稼がないと資産は減る一方です。
資産を数値で捉えることで、今どういう状況なのか、目標は何か、それを達成するためには何が必要かシミュレーション結果などから考えていくことが大切です。
保有期間の運用は非常に多岐に渡ります。
さまざまな専門家と協力していく必要があります。
特に、正確な投資シミュレーションをするには、不動産投資マーケットや実務に詳しい専門家との連携が欠かせません。
保有期間の目的は、営業純利益(NOI)と税引き後キャッシュフローを上げること。
「営業純利益(NOI)÷還元利回り=物件価格」
営業純利益(NOI)が上がれば、物件価格が上がり価値も上がります。
価値を上げて売却時の価値を少しでも高くすることが所有者オーナーのゴールと言えます。
管理は、不動産管理会社任せる。あるいは、自分で管理する。
管理会社を選ぶときは、同じゴールを目指して仕事をしてくれるところがベストと言えます。ただ空室の募集をし、家賃の集金を代行するという意識の管理会社では、ゴールが違います。営業純利益(NOI)を上げるというゴールが共有できる管理会社とでは、数年後の営業純利益(NOI)の累積額に大きな差が出てしまいます。
不動産投資が成功するかどうかは、入口の時点で、だいたい決まります。
けれどそれを現実のものにできるかは、保有期間次第です。
保有期間中に何をするのか、理解が深まってくれば、購入時のチャンスやリスクやチャンスにも気が付くことができます。
管理は、不動産管理会社任せる。あるいは、自分で管理する。
どちらにしても、保有期間中に何をするのか内容を把握していないと、不動産管理会社に任せるとしても、自主管理を行うとしても、不動産を管理する内容を把握していないと、管理漏れはないかなどの判断は出来ません。
不動産管理会社任せにしている方で、よくわからない名目で割高に費用を徴収されているケースが多くあります。保有期間の運用は非常に多岐にわたり、さまざまな専門家と協力していく必要もありますので、出来る限りやるべきことを明確にすることが大切です。
投資判断について
簡易なシミュレーションで大体数字が合いそうだとなって、実際に物件がどういう状況なのか調査、近隣市場など調査、出口想定、再度シミュレーションを行って投資の決断を行います。
保有するとしたら
- 現状の営業純利益(NOI)は上げることが出来るのか。
- 賃料は適正か。
- 改修工事が必要であれば、いくらまで改修工事をするのが適正か。
- その改修工事をすることで価値を上げることが出来るのか。
などの分析・調査・シミュレーションを行います。
実際の分析では、キャッシュフロー表の数字を直し、内部収益率(IRR)を再度計算して、現状何もやらない場合と比べることで単年度の営業純利益(NOI)、不動産の価値を上げていきます。
・IRR(内部収益率)は、複数の投資選択肢の中で、収益率が高い投資はどれかを比較判断する場面で使いやすい指標です。
・NPV(正味現在価値)は、投資をする側の期待する収益率が明確である場合、その投資が期待収益率を上回るか否かを判断できます。期待収益率を満たすための初期投資額の増減もわかります。そのため、投資をすべきか、投資開始時に値段交渉すべきかといった場面に有効利用できます。
・MIRR(修正内部収益率)は、IRRの弱点を補った一定期間の収益率を測る指標です。期間内収入の再投資の検討など、現実的な予測を計算に組み込むことができます。そして、初期投資額を、どれくらいの率で運用できるかを見定められます。
物件への投資の判断は、税引き後の数字にも注意が必要です。税引き前は黒字なのに、税引き後は赤字になってしまうケースも珍しくないからです。そんな場合は、投資戦略を大幅に見直す必要があります。
正確な分析によって、投資シミュレーションを行うことで、多様な視点から物件選びができるようになります。
保有後は、少しでも高い家賃で空室を埋め、日常の管理コストを下げるために努力する。この努力を年次でまたは数年の単位、長期で計画する。
数値化、分析シミュレーションを行うことで、利回りはいいけど経費がかかり過ぎている等問題を明確にすることで改善点も把握できます。
不動産屋の担当に、良い物件です、希少物件と勧められて、本当にいいかどうか検証しないで勘と度胸で決断する。ラーメン屋儲かるから、始めたほうがいいと進められて、度胸だけで店舗構えたけれど、おいしいラーメンの作り方わからないみたいに、不動産投資を始めて失敗している人が多いような気がします。
投資判断を理論的に行うことで、賃貸経営を安心して行うことが出来ます。